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泉美木蘭
2016.8.30 14:18

ス、スメルハラスメント・・・

ニュース番組見てたら、「スメル・ハラスメント」なるものが特集されて
いて、びっくりしてしまった。
ある企業は、社員の加齢臭や汗臭などが職場環境を悪くしているとして、
男性社員を集めて、体臭の成分を凝縮した液体のにおいを嗅がせたり
あなたたちのココが臭いんですよ、と自覚させる講習を行っていた。
講習を受けた若手の男性社員は、
「抗菌効果や香り成分のあるシャンプーを選ぶようにする」
と言っていて、なんだか気の毒な気分になっちゃったよ。

タクシー会社は、乗車前に、男のドライバーどうしで、体のにおいを
嗅ぎあって「はい、臭くないです」と言いあっていた。
「最初は恥ずかしかったけど顧客サービスだと思えば慣れた」そうだ。

そりゃ、臭い人はいて、それで心理的にダメージを食らってしまうことは
私もあるし、自分も清潔にしなきゃいけないわとは常に思っているけど、
ちょっと潔癖がすぎるような・・・。
湿気のなかで揉まれて通勤したり、外回りの営業をしたりして、
汗だくになってしまう人たくさんいるやん?

それを「ハラスメント(嫌がらせ)」呼ばわりする風潮を企業が率先して
作るのって、いいのかなあ・・・って気がするんだけど・・・。

しかも、男の臭さばかり言ってるけど、女も臭いしよ。
わたし、遭遇して、自分も気をつけなきゃと思うことあるもん。
でもそれ言うと、今度は「セクシャル・ハラスメント」だもんなあ。
しかし、いろんなハラスメントが人を追い詰めるなあ。
このスメルハラスメントで、自分が臭いんじゃないかと気にしすぎる
強迫神経症患者も出てくるぞ?
「ハラスメント・ハラスメント」だよ、まったく。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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